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生きているから苦しみも乗り越えられる

数年前のことですが、知り合いからご主人が自ら命を絶ったという報せを受けました。
休日の夕方、彼女が子供と買物から戻ってみると、
彼は部屋のドアにもたれるように倒れていたと言います。
すぐに救急車を呼んだけれど、彼女らの願いも虚しく
彼は帰らぬ人となってしまいました。

数日前、仕事の愚痴をこぼされていたものの、
話を聞いて心配する彼女に対して、逆に彼のほうが
「こんなこと大して気にすることでもないさ」
と励ましていたのだそうです。
ところが、遺書もない突然の死。
後に残された者には、後悔の念しか残りませんでした。

「あの時、私がもっと親身になっていれば、
彼は死なずに済んだのかもしれません……」

彼女は彼の死に対しての責任が
すべて自分にあるのではないかと思い込み、
日に日に痩せ細り、口もきけないくらい衰弱していきました。
人間のもろさを目の当たりにしたようでした。

生きることを問う相談を受ける機会は少なくありません。

「苦しいのになぜ生きなければならないんですか?」

さまざまな理由で追い詰められた相談者は、
死ぬための正当性を訴え、抱える苦しみから逃れようとします。
でも、”死んだら苦しみがなくなる”というのは幻想に過ぎません。
肉体はなくなっても、魂はそのまま残ります。
何の解決策も持たない苦しみの只中にいる魂だけが残るのです。

生きているからこそ、人は苦しみを越えこえることができます。
それをどうぞ忘れないでくださいね。

自分も死んで彼の後を追いたがっていた彼女も、
今では冷静に自分と子供の人生を見つめられるようになったようです。
生きている限り何らかの「苦しみ」があるはずです。
それは誰一人として避けられない宿命と言えるかもしれません。

でも、その苦しみを乗り越えていくたびに、
必ず人は大きくなっていかれます。
そうやって”魂”を成長させていくのですから。

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