小さな別れの積み重ね
私達は子供の頃から、自分とかかわるさまざまな人達との
出会いと別れを繰り返して生きてきていますよね。
別れのたびに人と離れることのつらさで胸を傷め、
涙を流してきた経験はきっと誰にもあるはずです。
でも、そういった小さな別れの積み重ねが、実はいずれ訪れる
”死”という大きな別れのための予行練習なのだという話を
急に思い出してしまいました。
その話を聞いたのは、まだ学生の頃。
失恋して泣き腫らした目をした私に、友達がいいました。
「小さな別れはこれから何度だってやってくる。
だけど、それは大事な人の”死”っていう大きな別れのために
あるようなものなんだと思うよ。だから、今、思いきり泣いても
いいんじゃないかな?」
つまり、年をとれば必ず親や兄弟姉妹、友人、ペット、
そして最愛の伴侶が亡くなる日がやってきます。
そんな大きな別れがきたときに、その現実をしっかり受けとめるためにも、
小さな別れの際、自分の感情を抑え過ぎないほうがいいのだと、
その友人は教えてくれたのでした。
もちろん本音を言えば、別れなんて嫌なことです。
出会った人と別れずにずっと付き合っていかれたらどんなにいいでしょう。
でも、人生は短く、肉体を失うときが誰にも必ずやってくるのです。
そう考えたら、小さな別れは自分にとって必要なことなわけですよね。
卒業、引越し、転勤、失恋、離婚……。
いろいろな別れを経験していくことが、大きな悲しみを受けとめる強さを
養う力になってくれるんですから。
あの日以来、私はどんな”別れ”であっても、
自分の人生にとっては、無駄だと思わなくなりました。
そして、別れのつらさや悲しみを知ったからこそ、
人の心の傷みに気づけるようになれたんだとも思いました。
人との別れで落ち込んでるあなたへ。
悲しいときは思いきり悲しみましょう。
泣いて泣いて、涙が枯れるまで泣いてしまいましょう。
無理に感情を抑え込まないで、ありのままの自分を受けとめてくださいね。
そのつらさも悲しみも、必ずあなたの魂の栄養になるはずですから。
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